Covid-19時代を生き生き抜くために必要不可欠なこと ~Voice!for HRM Vol.5 ~

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英国でもっとも有名な HRM サイトから興味深い記事をご紹介します。

https://www.peoplemanagement.co.uk/voices/comment/give-more-power-to-your-people-as-they-return-to-work

Give more power to your people as they return to work
29 Jun 2020 By Sarah Jackson  

はじめに

従業員に権限を手渡す時が来たとSarah Jacksonは述べる。Covid-19を生き抜くために必要不可欠である。

コロナウィルスの影響下で我々はリモートワークを強いられている。英国では徐々に企業活動が再開し、一部の企業は今後のためHome working (自宅勤務)を続行し、他方では従業員を職場に戻し始める動きが見られる。どんな産業であれ、どこで従業員が働こうとも、この状況を最大限に活用する方法がないかと私は頭を捻らせてきた。パフォーマンスそしてイノベーションにおいて躍進をする一度限りの機会である。

イチから考え直す

英国の労働者の過半数は自宅勤務が不可能な役割に就いている。Furlough scheme (政府による80%の賃金補償に伴い休暇期間を強いられるスキーム)によってロックダウン期間に多くの労働者のリテンションが可能となっている。目下の課題としては従業員を安全に職場に戻すことである。これから活動を再開するまたは操業を続けてきたビジネスにとってまさに今、イチから考え直し、全てをリセットする時期であると言えよう。Social distancing (社会的距離)とは職場のレイアウトについて考え、ほぼ全ての環境で多数の従業員が同じ場所に会することなく同じタイミングで多くの従業員が出・帰社を行わないということを意味する。また、従業員が職場への移動手段として公共機関を使う場合にはいかにしてリスクへ晒される機会を減らすかを考えることが必要となる。

従業員に権限を与える

もしこれに当てはまる場合は始業と終業時間をずらしたり、新たなシフトパターンそしてプロジェクトベースチームの在り方考えるべきであろう。人をどのように配置していくか取り組む際には、上司が決断を渋りデスクがスプレッドシートやリストで埋め尽くされるかもしれない。そんな時には何がフレキシビリティを効果的にすることができるのか思い出すべきである。魔法の材料が「権限」である。かつて私が会ったインスピレーションに満ちた主任看護師は誰も働きたいとは思わないような精神科病棟を担当し、看護師の離職率に頭を悩ませていた。彼女のとった解決策とは当時にしては非常に急進的な発想であった(今でも多くの組織ではそうであるが)。彼女は勤務当番をチームに委託したのである。労働形態を再編成し、職場外での様々な責任に便宜を図ったのである。非常にシンプルであるが効果は抜群である。病棟における暴力水準が下がった。その結果求人率も上昇した。

その当時は、フレキシブルワーキングの力の素晴らしい例として推進した。しかし今となっては、これはコントロールの力であったと言えよう。フレキシブルワーキングは単なるデリバリーメカニズム(配達の仕組み)であった。これは古い例であるがある種見本を示している。従業員が3ヶ月以上コントロール(自律性)を失いその結果、調査によれば復職に懸念を示し上司に対する信頼を失った従業員が多いという。そのために逆の事を行うべきである。

不確実であることは厳しいものである。確かな答えが無ければストレスや不安が募ると考えるのが妥当である。しかし正直であることは重要である。スコットランド及び英国顧問であり社会心理学者のProfessor Stephen Reicherは手続き的公正の重要さについて語る。手続き的公正とは公平に扱われること、傾聴されることそしてしっかりと説明をされることと彼は定義する。政府やビジネスの幹部にとっては 従業員がパニックにならないようになるべく口数を減らすことが得策のように思われるかもしれない。しかし、この危機から察することができる通り、必要とされることを理解できている限り人々がパニックに陥ることはない。従業員に必要な情報を託すことで、今現在、そして将来的に取るべき方策にむけ従業員のサポートを効果的に増幅させることができるだろう。

実用性を持ってクリエイティブに

職場内で従業員の安全を確保するためにしていることをできるだけ従業員に知らせるべきである。修正を計画をしている内容に関して相談し、関与させるべきである。不確実であることを正直に共有することそして他の修正に伴って変化を行うことを恐れるべきではない。Furlough part time (前述の政府主導による有給休暇期間中に雇用者が賃金補填の一部を負担するため従業員をパートタイムで職場に戻す政策)が導入されれば、とりわけ子供を持つまたは介護をしなければならない従業員を積極的にサポート、リテンションする方法としてキャリアを傷つけることなく広い視野を持って、労働時間の縮小を試す良い機会になるかもしれない。

リモートワークが可能であることを発見し、働き方の一つとして無くてはならないものであるようにパートタイムについてもその働き方が模索されるかもしれない。今がまさに働き方に関してクリエイティブな思考が時代を前進させることができるであろう。従業員の生活に合うように彼らに仕事について再考する力を与えるべきである。不安や心配事について同僚とシェアできるようにするべきである。ポストコロナウィルス下での組織に適合できるように自信とエンンゲージメントを築くべきである。ビジネスの生き残りはエンゲージメントが高く、イノベーティブでクリエイティブな従業員にかかっている。

(D.S)