HRM講義「今更聞けないTalent Management (前編)」~Voice!for HRM Vol.40 ~

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ここ数年、働き方改革やジョブ型雇用のトレンドとともに Talent Management への関心が高まってきた。 Talent Management とは優秀な人財を魅了・獲得し、個としてまたビジネスパーソンとしての成長を促し、組織のパフォーマンスに貢献するようにモチベートする一連のプロセスを指す。Talent Management というワードがトレンド化、本来の意義とは少しかけ離れた解釈がされる傾向があるため、今回は2回に分けて、Talent Managementの定義や役割等をWorkday社の記事を抜粋し解説していくこととする。 前編は、Talent Managementの定義、Talent Acquisition とTalent Managementの違いそしてTalent Management の変遷について、後編ではTalent Managementの重要性とTalent Management Systemについて説明を行う。

Workday社の記事はこちら
https://blog.workday.com/en-us/2020/understanding-basics-what-is-talent-management.html

Talent Management とは?

タレントマネジメントとは「優秀な労働力」を魅了、保持そして開発するために戦略的なアプローチを取ることを指します。会社の経営には必要なタスクを遂行する人財を雇用するだけでは不十分です。企業は需要の高いスキルを調達し、継続的な学習とスキル開発に投資を行い、そしてパフォーマンスの管理・最適化をすることで競争力の高い労働力を構築しなければなりません。企業の必要とするスキルは会社成長と共に進化を遂げます。Workdayでは、スキルベースのレンズを「才能」の最適化(有効活用)に用いることで労働者は変化するビジネスデマンドに対応できるようになると考えています。仕事の性質は日々変化し、それに伴い労働力のマネジメントも変化を強いられています。

言い換えれば、タレントマネジメントとはマネジメント(管理)的要素よりもEnablement (可能にする/最適化する)要素が強いと言えます。リテンションや人材開発に至るEX (従業員体験)に力を入れる企業は、従業員がタスクそれ自体ではなくビジネス全体の結果を達成するのを「可能にしている」といえるでしょう。

Talent AcquisitionとTalent Managementの違い

Talent acquisitionは採用やインタビュー、雇用、タレントのオンボーディングに必要な全ての要素を含みます。タレントとパフォーマンスは組織内におけるパフォーマンスの測定と内部で必要なスキルの発見、開発及びプランニングにフォーカスしています。さらに言えばタレントマネジメントとは人財から最も良い部分を引き出し、従業員が活躍できるようになるキャリアパスを構築し、仕事や特定の労働者に必要なスキルを特定し、学習が然るべき人を対象にしており継続的であることを確かめることです。タレントネジメントは切り離されたビジネスプロセスとして扱われるべきではない。タレントマネジメントは企業におけるビジネスプロセスや活動そのものに統合されたものです。Workday のTalent Marketplaceを通じて人と仕事そして開発危機を結びつけることから研修や学習、メンタリング、個々の職場経験を通じ、タレントを向上させることに重きを置いた全社的なプログラムが含まれます。

HR専門家であるJosh Bersinが説明するには、「我々はもはやただ仕事が欲しいのではない、従業員体験が欲しいのである」。タレントマネジメントは全ての従業員に適切な経験を適切な時期に提供することである。タレントのリテンションそして成長はHRの最優先事項として考えられているがこれはHRの機能だけではない。基礎的なレベルでHRは職場での施策や福利厚生そしてペイロールの制定も行います。このようなタスクは時としてtransactional (事務的)であると考えられますが、全てのHR部署の基本的な業務です。企業によってHRの責任はtalent acquisition、コンプラ遵守、ワークフォースプランニングなどを含みます。HRが戦略的な機能として位置づけられている組織ではHRは組織の人財戦略において積極的な役割を担い、雇用者ブランディング構築や労働力エンゲイジメントなどを含みます。

HRには多くの役割や責任がありますが、集約的に「タレントとパフォーマンス」、「従業員エンゲイジメント」、「企業文化形成」そして「ビジネスニーズの理解」を優先事項としています。

どのようにTalent Managementが変わってきたか?

ビジネス・Human Capital (人的資本)マネジメントプラクティスは数十年前と比較して大きく変わってきました。今日、基本的な仕事の性質や新たなテクノロジーそして新世代のニーズにおける変化によって仕事の仕方や従業員のエンゲイジメント、組織のオペレーションが大きく変わってきました。

結果として、企業はパフォーマンスマネジメントの再考を行ってきました。単に従業員が過去何をしたかではなく、将来的に貢献度を上げるために何ができるかということにフォーカスするためにパフォーマンスレビューや従業員ランキングを変えています。

Workdayではこれは、パフォーマンスの管理からパフォーマンスを可能にすることへのパラダイムシフトを意味します。Covid-19パンデミックによって、従業員の健康と安全を確保するため、リモートワークへ移行しなければならないという風潮が広がりました。数か月が経過し、その状況に適応してきた従業員は地理的状況や場所に縛られない働き方の機会を模索し始めてきました。企業も同様です。しばらくの間多くの労働者がリモートで勤務するこの状況で、タレントマネジメントは継続するものの、非接触型、リモートベースで、リモート学習・スキル開発に焦点を置き、更には世界中からのタレントを扱う形で継続しなければならない。

(D.S)

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