コミュニケーション診断 (カイシャの健康診断)を活用したリモートワーク改善 ~Voice!for HRM Vol.31 ~

2020年11月に実施された日本オラクル社による「コロナ禍の日本における働き方とAI (人工知能)の利用実態に関する調査」によれば、日本の従業員の46%がリモートワークで生産性が低下したと回答したことがわかった。わずか15%の従業員が生産性の向上に関して言及しており、11か国中 米国、英国、UAE、フランス、イタリア、ドイツ、インド、日本、中国、ブラジル、韓国) 最下位であった 

(出典元:マイナビニュースへのリンクはこちら)

通勤時間や交通費、食事代などの削減を可能にするリモートワークは一見雇用者そして従業員双方にとってWin-Winである。しかし、経営者そして従業員両者が「生産性の低下」を訴え始めた今、リモートワークの課題とその解決策について真剣に考えるべきである。

概して、多くの経営者や従業員は「リモートワーク」それ自体に原因を求める傾向が強いのではないだろうか。リアルなコミュニケーションからバーチャルなコミュニケーションへと移行し、遠隔勤務が生産性低下の原因であるかのように語る経営者や労働者が多く散見される。そのため、オフィス勤務続行や再開そして見通しの立たない「アフターコロナ」までの過渡期として一時的にリモートワークを行う企業が多いのではないだろうか。確かに、コミュニケーションの形や手段がドラスティックに変貌し、慣れない環境下で新しい働き方に苦戦する労働者が続出するのは避けられないことである。

しかし、1月15日に開催された【2021年トレンド予測】CHRO3人が注目する「これからの人事像」と「今後取り入れたい施策」人事100名のアンケートをもとにディスカッションの中でユニリーバ・ジャパン・ホールディングス CHROの島田由香氏は「コミュニケーションのあり方、人事のあり方はコロナ以前・以後で何一つ変わっていない。(…)コロナ禍でコミュニケーションがとれない組織は元々できていなかっただけでしょう」と述べている。

島田氏は元々できていないコミュニケーションさらには果たすべきHR/人事の役割(戦略パートナー・変革のエージェント・従業員のチャンピオン・管理のエキスパート)の未熟さがリモートワーク導入でより顕在的になっただけであると指摘している。

また、外資系金融機関で20年以上HRヘッドを務めてきた石原氏も「リアルでできない策はリモートでできないし、同様にリモートでできないことはリアルでもできない」と述べている。また同氏は「リモート禍を含むコミュニケーション上の課題を感じる企業はまずその原因を精査するべきでしょう」と述べている。

先に述べたように、多くの経営者・労働者はリモートワークそれ自体に課題を感じ、そこから派生した「生産性低下」「ワークライフバランスの崩壊」「売上低迷」など改善すべき問題の原因を追究していないのではないだろうか。

例えば、近年ではマネージャーや上司に仕事の相談や報告を行いにくいと訴える従業員が増えており、ミスの肥大化やスキル開発の停滞が取り沙汰されている。こういった問題も、インシデント発生後に気づくケースが多く、事前に抜本的な調査やコミュニケーション診断を通じボトムアップ的に潜在的な課題を精査していれば避けられていたかもしれない。こういった相談・報告はそれを行う雰囲気そして体制に関する問題であり、バーチャルな働き方の中で顕在化しただけである。

したがって、「生産性低下」「スキル定着の低さ」「営業成績不振」「離職率の増大」といった問題の原因をリモートワークに求めるのではなく、その発生のメカニズムと解決に向けた道筋を立てることが必要不可欠である。しかし、漠然とした課題の原因を会議室で推し量ることは難しく、また同時に危険である。ニュートラルかつ専門的な立場で、調査・分析を行う外部の機関に委託をし、抽出された課題の原因とそれに向けた解決策を二人三脚で行うことが、Outcome (成果)の最大化につながる。

弊社の従業員調査及びコミュニケーション診断 (カイシャの健康診断)は貴社の課題とその真の原因を追究するために「本音」を引き出す質問票作成にこだわっております。慶應義塾大学井上教授監修のもと、HRの専門家やPeople Analyticsの第一人者が知恵を共有しできた調査になります。 

(D.S)

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