2022年の働き方「つながらない権利」を考える ~30人の会社のテレワーク Vol.64 ~

2022年になりました。今年もよろしくお願いいたします!

1月6日、東京には雪が降り、大雪注意報が発令されました。我が家はカーテンを締め切っていることが多いため、私は雪が降りだしたことに全く気付かず、子供が窓の外を見て雪にはしゃぐ声で、雪が降っていることに気づきました。会社で仕事をしていたら、Webで交通機関の情報をチェックしたり、「交通機関に影響が出る前にみんなに早く帰ってもらわなきゃ・・」と調整を始めたりしていたのだろうな、などと考えながら仕事をしていました。

何名か出社していた方もいましたが、雪の状況を見ながら、全員定時を待たずに帰宅したようです。自宅でも仕事ができる環境が整ったことにより、場所に縛られずに仕事ができることは、個人にとっても、会社にとってもメリットであると言えるでしょう。

一方で、どこでも仕事ができるということは、
・仕事とプライベートとの境がなくなってしまう
・長時間労働になってしまう
という可能性もはらんでいます。
従業員の健康と安全を考えてテレワークを始めたのに、長時間労働によりワークライフバランスを崩し、心身に不調を来たしてしまうようでは本末転倒です。

コロナ禍でのテレワーク普及に伴い、世界中で「つながらない権利」に関する注目が集まっています。

「つながらない権利(right to disconnect)」とは、労働者が勤務時間外には仕事のメールや電話などへの対応を拒否できる権利のことです。(定義はWikipediaより引用)フランスでは2017年に労働法に規定されています。また、2021年12月、カナダのオンタリオ州では、「Working for Workers Act」が可決されました。この法律では、従業員25人以上を抱えるオンタリオ州の企業に対して、一日の終わりに仕事から離れる際の従業員の権利について、書面により方針を定めることを義務付けています。

日本では、どうでしょうか?

厚生労働省が定めている「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」に長時間労働対策という項目があり、この中に「つながらない権利」に関連する記載があります。

オ 長時間労働対策

テレワークについては、業務の効率化に伴い、時間外労働の削減につながるというメリットが期待される一方で、
・労働者が使用者と離れた場所で勤務をするため相対的に使用者の管理の程度が弱くなる
・業務に関する指示や報告が時間帯にかかわらず行われやすくなり、労働者の仕事と生活の時間の区別が曖昧となり、労働者の生活時間帯の確保に支障が生ずる
といったおそれがあることに留意する必要がある。
このような点に鑑み長時間労働による健康障害防止を図ることや、労働者のワークライフバランスの確保に配慮することが求められている。テレワークにおける長時間労働等を防ぐ手法としては、次のような手法が考えられる。

(1)メール送付の抑制等
テレワークにおいて長時間労働が生じる原因として、時間外等に業務に関する指示や報告がメール等によって行われることが挙げられる。このため、役職者、上司、同僚、部下等から時間外等にメールを送付することの自粛を命じること等が有効である。メールのみならず電話等での方法によるものも含め、時間外等における業務の指示や報告の在り方について、業務上の必要性、指示や報告が行われた場合の労働者の対応の要否等について、各事業場の実情に応じ、使用者がルールを設けることも考えられる。

厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」https://www.mhlw.go.jp/content/000759469.pdf 12ページ・13ページ

また、同じガイドラインの中に、評価についても記載があります。

また、テレワークを実施している者に対し、時間外、休日又は所定外深夜(以下「時間外等」という。)のメール等に対応しなかったことを理由として不利益な人事評価を行うことは適切な人事評価とはいえない

厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」https://www.mhlw.go.jp/content/000759469.pdf 4ページ

一方で、厚生労働省:これからのテレワークでの働き方に関する検討会「テレワークの労務管理等に関する実態調査」で報告された、テレワーク(在宅勤務)時の労働時間の報告、所定外労働・深夜労働・休日出勤に対するニーズに関する調査では、テレワーク実施者に所定外労働・深夜労働・休日出勤を認めてほしいかどうか尋ねたところ、「可能であってほしい」「どちらかといえば可能であってほしい」との回答と、「原則禁止にしてほしい」「どちらかといえば原則禁止にしてほしい」のいずれの回答も一定程度存在しています。

厚生労働省:これからのテレワークでの働き方に関する検討会「テレワークの労務管理等に関する実態調査」 57ページ
https://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000694957.pdf

「可能であってほしい」「どちらかと言えば可能であってほしい」という回答が一定数あることが分かります。このような回答をした方は、子育・介護・通院などで、業務時間中に仕事を抜けることが多い・集中しづらいなどの理由で、より柔軟な働き方を求めているのではないかと思います。

弊社では、時間外労働・休日出勤は原則として禁止しており、どうしても勤務する必要がある場合には、上長への申請・承認の上で実施する、というルールになっています。各社の業務内容やそこで働く方の働き方に合わせ、ルールを設定するのが良いかと思います。

裁量労働制やフレックスタイム制を取り入れている会社では、メンバーによって、働く時間がバラバラであることも考えれると思います。
・返事は翌日で良いが、自分の仕事の区切りとしてこの連絡をしてから今日の仕事を終わりにしたい
・今連絡しておかないと明日は忘れてしまうかも
・明日の予定を考えると明日連絡する時間がないかもしれない
・明日はお休みなので今日中に連絡しておきたい

というような理由で、相手が業務時間外であることは分かっていても連絡をしてしまうこともあるのではないでしょうか?


「相手の業務時間外にメール等での連絡をしたくない」「相手の業務時間外であることは分かっているので返事は期待しないが、連絡しておきたい」この矛盾を解決するために、ITを利用しましょう。メールの予約送信や、RPAを活用したメールやチャットの自動配信をご提案いたします。

テレワークを継続するためには、ITの利用が必要不可欠です。弊社では、企業様のテレワークを支援するための事業も行っております。


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